作家インタビュー
vol4.『貝殻アトリエ Jyarinko』
蒲郡の海辺を歩いて見つけたことありますか?『ナミマガシワ』という貝殻を
ピンク・白・黄色 宝石のような色と輝きをもつこの貝殻で
とっておきの『幸せ』を届けてくれる
貝殻アート作家の【Jyarinko】さん
海岸に流れ着いた貝殻が美しい作品になるまでのストーリーを
のぞいてみませんか?
貝殻アートを始めたきっかけは?
大学が美術系の大学だったので、なにか作ったり描いたりすることがもともと好きだったんですけど、いつか「自分のモノづくりでやっていきたい」という夢がずっとありました。
蒲郡のいい事楽しいことの情報の発信する仕事を五年間していて、蒲郡のいいところをたくさん知っていって、せっかくだから、今まで勉強してきた「蒲郡のことを発信できるようなモノづくり」をしたいなって思い始めました。
そんな時丁度姉が結婚することになったんですね。その時に初めて、趣味で貝をいっぱい集めていたこの貝で何か作ってあげたら、お姉ちゃん喜ぶかなって思って作ったウェルカムボードが最初の貝殻アートでした。
そして、お友達の結婚式もふえてきて、頼まれて作ったりが続いて、「これいいじゃん!」「もっとこういうのが欲しい!」とかいろいろ言ってもらえて、この貝もっと可能性があるかもしれない!と思い、ちょっとづつ小さなものから始めていきました。
『ナミマガシワ』について教えてください。
竹島のボランティアガイドさんが『ナミマガシワ』を集められてて、ボランティアガイドさんに取材したことがあるんですが、その時に「これが幸せを呼ぶ貝で観光客の方に配ってるんだよ」って話を聞いて、「この貝ってめっちゃきれいですよね!私も集めてるんですよ~」って盛り上がったことをよく覚えています。本やネットでも調べだしたりして、どんどん惹かれていきました。
一番大変なのは、拾って洗って仕分けして使えるように色とバランスをそろえるといった材料の準備までですね。拾ってもらうとわかると思うのですが、なかなか同じ色で同じくらいの大きさでっていうのは難しく、お花を作るには四枚、アクセサリーには両面思うような形できれいなものを選ばなくてはいけないので、フジツボがついていたり、欠けてたりしてる貝殻が多くて探してもなかなか見つからない時も多いんです。
100枚拾って1~2枚、きれいな海岸で十分の一くらいなんです。
でも、貝拾いは一番楽しい作業、基本なので!もともとこの貝を好きになったのは貝殻拾いからで、本当に宝探しのようにワクワクしながら行っています。
小牧から蒲郡に来てアトリエをOPENして感じたことは?
蒲郡にきて思ったのは、蒲郡の人たちって自分の町の良さをあまり表に出さず、謙遜される方が多い気がしました。でも、まず海があるだけですごいと思うし、貝もめちゃくちゃ拾えるし!昔からのお寿司屋さんやお肉屋さんなどのお店屋さんがしっかり残っていて、町の人たちがちゃんとつながっていて利用もしている。
ヒトと人とのつながりがちゃんとしているから存在している環境なんだなって思いました。
そういうのが好きだし魅力だと思うので、もっと蒲郡の人は自分の町のいいところを知ってほしいです。
この貝が蒲郡の人にそういうきっかけになったらいいなって思っています。
遠くからの人はこの貝をきっかけに蒲郡に興味を持ってもらって、どういう海なのかなって少しでも興味を持ってくれたらうれしい!
三河湾一帯全国でも拾えるところはあるけど、ベストな環境の条件がいくつかあって、波が強いところはだめだし、海が汚すぎてもだめ、人工的に手が入っていると全然ダメ。今後自然災害が続いて海が埋め立てられてしまうとやだな、って思っています。
この貝がなかったら、いろんな年代の方と知り合うこともなかったと思います。旦那様とも出会わず、ここに住むこともなかった。貝がいろいろ引き合わせてくれて、蒲郡に一生ほねをうめることになりそうです!
蒲郡の貝といえば、アサリやファンタジー館のイメージが強いですが、それを変えれるように、若い方にもいろいろな世代にも知ってもらうきっかけになれたらと考えています。
『Jyarinko』さんのこれからについて教えてください。
今はどうしてもコロナをからめて考えてしまうんですが、
ただ単にこういう時代だから、イベントがないから、じゃあ、ネットで売ろうとはどうしても思えなかったです。
直接見て感じてもらうことで、貝一つ一つにストーリーをみてもらいたいという気持ちが大きいので、ネットは便利だけどさみしいと感じてしまいます。作家さんから買いたい、人となりと一緒に買ってもらいたい、信頼関係も含めて買ってもらいたい。そんな気持ちでいます。
三月、四月は絶望的でキャンセル・延期続きで、余った材料がドーンって感じでアトリエのオープンも控えてて、、、真っ青でした。
でも少しづつですが、家族だけや、写真だけなどウェディングが戻りつつあります。小さくなった分、一つ一つのものに想いを込めたい方、こだわりのものを身に着けたい、自分な好きなものを用意したい身に着けたいなどのお声を頂いています。
お二人で貝を拾ってもらい思い出の貝を使って作る参加型のオーダーメイドは、海岸に流れ着いた貝殻が作品になるまでのストーリーがお二人の歩みと重なるように思いを込めて作らせていただいています。
「細く長く」作家業は続ける事がすごく難しいと思いますが、この貝と出会っていなければ、作家という道も選んでいなかったかもしれない、、、人生をかけてこの貝を選んでやっているので、ほそぼそでもいい、長く皆さんに大事に愛していただける、そういう作家になれたらいいなって思っています。おばあちゃんになっても、腰が痛くなっても、貝を拾いに行くよって、それが健康に繋がったりしたりくらいななんて思い描いています。
【貝殻アトリエJyarinko】